オタクな私にリア充の兄が出来た件wwww
分かっちゃった。

気付いちゃった。


ずっと隠し続けていたケントへの気持ちが、

好きという感情だったんだ。


ケントが嫌いって口で言っても、頭は、体はケントが大好きだと反抗する。


「ごめんね。僕が突然変なことを言ったからだよね。……泣いていいよ」


目の前にいる鈴木くんは優しいのに、私は優しさで返してやれない。

こんな時ですら、ずっとケントのことを考えてしまう私は、最低だ。


ごめんね、鈴木くん。

ありがとう、好きになってくれて。


「鈴木くんは好きだけど、恋の好きじゃないの」


「そっ……かぁ」

優しい、優しい鈴木くん。

私のことを少しも怒らずに微笑んでいる。


やっぱり私には勿体ないよ。


「……それに、好きな人がいるって気付いたから、鈴木くんと両思いになれない」

「あー、うん。フラれたのか。当然だよね」

「ご、ごめんなさい……」

「いや、良いんだ。分かってたから。でも、相手を聞く権利くらい、僕にもあるよね?」

ケントの名前を出すと、ケントの立場が危うくなる。


皆に知られて、ケントが王子様じゃないってバレてしまうかもしれない。

でも、鈴木くんなら誰にも言わないだろう。


「宮崎、ケント……先輩」


そっか、と鈴木くんは笑った。

若干赤みの残る頬は緩やかに持ち上がる。


先程までの緊張した表情はどこへ行ったのか、やけに清々しい顔で、つられて私も笑った。


「だと思ったよ」


「え?」
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