モンスター・バスターズ
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焦げ臭い匂いが漂う中、どこからか赤ん坊の泣き声が聞こえた。
まさか、生き残りがいるとでも言うのか。
『武ノ国大火』と呼ばれ、恐れられた業火の中で、まだ息をしていたものがいたとでも言うのか。
焦げた木を退けながら、声がする方へと進む。
なんと……。
そこには、頬に少しかすり傷を負った幼い赤ん坊が居た。
かすり傷で済んで、本当に良かった。
まだ泣き止まない赤ん坊の前にしゃがむ。
これは…。
赤ん坊は体の何倍もある剣を握っていた。
これは、『竜神の剣』
なぜこの子がこれを…。
いや、そんなことを考えるよりも手当が先だ。
きっと腹も空かせているだろう。
私はそっと赤ん坊を抱き上げ、来た道を早足で戻った。
この子に、世界をも変えてしまう力が眠っているとも知らずに________。