禁断のプロポーズ
「言われたって言ったじゃないですか。

 五十万なんて、はした金って。

 お金返そうと思ったのに」
と言うと、

「まあ、焼け石に水だな」
と夏目は、その言葉を信じているのかいないのか、そう言った。

「夏目さん、実はそういうとこ、専務と似てますよね」
と文句をたれながら、その胸に頬を寄せ、目を閉じた。

 夏目の心音を感じる。

 きっとまた全部、専務の嫌がらせだ、そう思うことにした――。
 
 
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