空っぽのイヤホン(仮)
どうしよう。
心臓の辺りが痛い。
物理的な痛みじゃないのに、ぎゅうっと音がしそうだった。
苦しくて、
はあ、と大きく吐いたため息は
誰に聞かれることもなくぬるい空気に溶け込んで、
ちら、と屋上の扉を振り返った。
『俺今、すっごいさみしー…。』
手のひらで掬ったこげ茶色の髪は
見た目通り柔らかだった。
あの消え入りそうな声は本当に
眠気だけのせいだったのだろうか。
なんて。
頭の中でぐるぐると。
『俺今、すっごいさみしー…。』
ぐるぐると。
心臓の辺りが痛い。
物理的な痛みじゃないのに、ぎゅうっと音がしそうだった。
苦しくて、
はあ、と大きく吐いたため息は
誰に聞かれることもなくぬるい空気に溶け込んで、
ちら、と屋上の扉を振り返った。
『俺今、すっごいさみしー…。』
手のひらで掬ったこげ茶色の髪は
見た目通り柔らかだった。
あの消え入りそうな声は本当に
眠気だけのせいだったのだろうか。
なんて。
頭の中でぐるぐると。
『俺今、すっごいさみしー…。』
ぐるぐると。