空っぽのイヤホン(仮)
Liar.
ぐーっと両手を上に伸ばして深呼吸。
屋上は今日も平和です。
右手にはフルーツ牛乳の紙パック。
隣には眠たそうな五十嵐。
これもいつものことであります。
「ね、五十嵐、飛行機雲だよ。」
「んー?ほんとだ。」
「私、五十嵐のせいで飛行機雲に敏感になっちゃった気がするんだけど。」
「ふは、何それ。いいじゃん別に。」
ごろん、と横になった五十嵐を見て
私も隣に寝転んでみる。
途端に空しか見えなくなる。
夏の空は、青く濃く染まって私たちを見下ろしていた。
伸びる飛行機雲はあっさりと消えて
明日もこの青空が広がると予言する。
「明日も屋上、くる?」
首だけ倒して五十嵐を見ると
五十嵐はすでに寝息をたてていた。
ヨダレが垂れそうな無防備な顔。
きゅうん、と漫画みたいな音が鳴りそうなほど心臓が軋む。
「……………す、き。」
小さく呟いた私の声と、バタンッと大きな音で屋上の扉が開いたのは同時だった。
屋上は今日も平和です。
右手にはフルーツ牛乳の紙パック。
隣には眠たそうな五十嵐。
これもいつものことであります。
「ね、五十嵐、飛行機雲だよ。」
「んー?ほんとだ。」
「私、五十嵐のせいで飛行機雲に敏感になっちゃった気がするんだけど。」
「ふは、何それ。いいじゃん別に。」
ごろん、と横になった五十嵐を見て
私も隣に寝転んでみる。
途端に空しか見えなくなる。
夏の空は、青く濃く染まって私たちを見下ろしていた。
伸びる飛行機雲はあっさりと消えて
明日もこの青空が広がると予言する。
「明日も屋上、くる?」
首だけ倒して五十嵐を見ると
五十嵐はすでに寝息をたてていた。
ヨダレが垂れそうな無防備な顔。
きゅうん、と漫画みたいな音が鳴りそうなほど心臓が軋む。
「……………す、き。」
小さく呟いた私の声と、バタンッと大きな音で屋上の扉が開いたのは同時だった。