空っぽのイヤホン(仮)

ーお昼休みー

久しぶりに教室でお弁当を広げていたら
入り口のあたりからザワザワと男子の声。

不思議に思って見ようとするけれど
人だかりになっていて見れなかった。

どうせ私には関係ないか、と思った矢先
その中の1人が「白井ー！」と叫ぶ。

若干驚きつつも行ってみると
そこには聖奈さんが立っていた。

「こんにちは。ご飯どきにすみません。
…ちょっと、いいですか？」

朝と変わらずしっかりと見上げてくる大きな瞳に思わず唾を飲み込む。

男子たちが騒いでいたのは、突然現れた美少女のせいだったのか。