空っぽのイヤホン(仮)
くるっとやっと振り返った聖奈ちゃんは
やっぱり無表情。

「驚きました。」

あ、驚いてたんだ。

「心から、何も聞いてないんですか。
…彼女なのに。」

「え…。」

どういうことだろう。

彼女なのに、という言葉に
胸が軋むような感じがした。

「…心は、私のことあんまり知られたくないのかもしれないですね。」

視線を落とすように言う。

元カノ、とか、なのかな。

でも、聖奈ちゃんが告げたのは
思いもよらないことだった。

「妹なんです、私。
血の繋がった兄妹なんです。」
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