空っぽのイヤホン(仮)
キョウダイって……

「えぇっ!?」

私の大声に、迷惑そうな顔で耳を塞ぐ聖奈ちゃん。

「大したことじゃないじゃないですか。」

「ごめ、ちょっとビックリしちゃって…。」

でも、もしそうなら
五十嵐が聖奈ちゃんのこと好きなんじゃないかっていうのは…。

「聞いたと思いますが、心は転校します。
それまでに、別れて欲しいんです。」

「どうして…?」

「…それもわからないんですか?
何も教えられてないんですね。
本当に彼女なんですか?」

ギクリ。

私の体が固まったのに幸い気づいてない様子の聖奈ちゃん。

「心は、たぶんあなたを好きなんかじゃないですよ。」

まっすぐに視線を送って、そう言った。
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