空っぽのイヤホン(仮)
「これ以上言うことはないです。
お時間いただいてすみませんでした。」

スタスタ、無駄のない動きで私の横をすり抜け、扉から出ていってしまう。

そのとき、ピカッと窓から光が差し込んだと思ったら

ものすごく大きな音で雷が落ちた。

「きゃっ!」

思わずしゃがみこんでしまう。


『心は、たぶんあなたを好きなんかじゃないですよ。』


そんなの知ってる。

だってもともと付き合ってないから。

なのに、どうして、悲しくなるの。
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