空っぽのイヤホン(仮)
彼が水中から顔を出したので
私はほとんど無意識に大きめの声で呼びかけた。
「何してるのー?」
彼は、眩しそうに上を見上げ
私の姿を瞳に映した。
「泳いでるーっ。」
大きめの声で返す彼。
その声は普通の男子より少しだけ高い。
「そっち、行ってもいー?」
私がそう言うと、
彼は不思議そうな顔のあとにニッと笑って
こくり、頷く。
私は屋上のフェンスを乗り越える。
すると彼は、慌てた表情でザパリとプールから上がった。
「それは危ないよ!」
「だいじょーぶーっ。
私、けっこう運動神経いいから!」
「そーゆーことじゃないって!」
「じゃあ受け止めてー…っと。」
ふっ、と身体が軽くなる。
私はほとんど無意識に大きめの声で呼びかけた。
「何してるのー?」
彼は、眩しそうに上を見上げ
私の姿を瞳に映した。
「泳いでるーっ。」
大きめの声で返す彼。
その声は普通の男子より少しだけ高い。
「そっち、行ってもいー?」
私がそう言うと、
彼は不思議そうな顔のあとにニッと笑って
こくり、頷く。
私は屋上のフェンスを乗り越える。
すると彼は、慌てた表情でザパリとプールから上がった。
「それは危ないよ!」
「だいじょーぶーっ。
私、けっこう運動神経いいから!」
「そーゆーことじゃないって!」
「じゃあ受け止めてー…っと。」
ふっ、と身体が軽くなる。