藍くん私に触れないで‼


藍くんが病院へ運ばれ、手術室に入った。


待合室で月島さんと二人で彼を待った。
一言も会話しなかった。


大丈夫ということばの無意味さを月島さんも私もちゃんと理解していたから。

祈ることだけに専念した。


ずっとその状態だった。


あと一ヶ月後に病院に入る予定だと言うのに、なぜこんなことになったんだろう。

思ったよりも、病気が進行しているのかもしれない。


手術中のランプがふと消えた。



それと同時に藍くんが運び出された。



「大丈夫ですよ。応急処置のおかげで、一命はとりとめましたから」


肩の力が抜けた。

よかった。


そうか。こういうことのために、月島さんは藍くんの隣の家に住んでいるのか。

よかった。月島さんが居てくれて本当によかった。


「月島さんありがとうございます」

「別に。このために隣にすんでるようなもんだから。

じゃ、俺は帰るよ」



月島さんも少し疲れてるようだ。
顔色が良くなかった。

今まで、ずっと、藍くんのことを見ててくれてたんだもんな。

大変だったろうし、気が気じゃないだろう。


だけど、これからは、私が支えていくんだ。


藍くんを幸せにするのは私だ。



藍くんが目を覚ます前に一度家に帰らなければ。

私は、まだ子供で、
何の甲斐性も持ってなくて、

彼を支えるにはまだまだだけど。


迎えにくるのが彼じゃなくなったのなら、

私が迎えに行くよ。



あなたがたくさん悩んでること、辛いこと、全部、受け止める。



私は、これからもあなたの側にいる。



神にも誓う。




だから、どうか。




彼を助けて。



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