藍くん私に触れないで‼
けどさ、たぶんこれ、人間として最低な暮らししてるよね。
学校にも行かず、外にも出ず、家にこもって。
お腹すいたらご飯食べて、眠くなったら寝て。
なにもしないって、楽だけど、精神的にダメになってく。
側に誰も居ないと、なおさら。
藍くんは、今どうしてるのかな。
私のこと、少しは、思い出してくれてる?
どっちでもいいよ。
だから、自分が死んでもいいなんて、思わないでよ。
「掃除…しよ」
自分を取り戻そう。
一回落ち着いて、それからまた考えよう。
こんなベッドの上でいつまでも藍くんのこと想って泣いてたらキリがない。
私が変わらなきゃ、藍くんを変えられるわけない。
まあ…会えないんだけど。
いや、もう、こうなったら、会いにいって…
けど考えなしに会いに行ったって、この前と同じことになるに決まってる。
とにかく、掃除だ、掃除。
このベッドも綺麗にして、布団も外で干そう。
ベッドのマットレスをガバッと持ち上げ壁に立て掛けた。
「ん?」
ベッドの上に視線をおろすと、本のようなものが一冊挟まっていた。
何でこんなところに、と思いながらそれを手に取ってみる。
表紙の文字を見て、ドキッとした。
日記って書いている。
こ、これって見ちゃまずいやつかもしれない。
…いや、でも、もしかしたらここに何か藍くんの考えを変えるヒントがあるかもしれない。
見ないわけには、いかない。
心のなかで謝りながらその日記を開いた。