藍くん私に触れないで‼
だから、いつ死んでもいいと思った。
それで償えるなら、気が楽だ。
高校なんて、行く気なかった。
けど、うるさい先輩がしつこく誘うものだから、引っ越して高校に通うことにした。
高校に入ってからも、俺は特に変わらなかった。
夜は遊んでいたし、学校でバカな女をたぶらかすには十分すぎる顔をたまたましていたもんだから、学校でも遊んだ。
もっと、体を痛め付けて早く死ねばいいと思った。
けど、動いたらすぐ疲れる。
薬をもらって飲むには飲むが、そのあと恐ろしく眠くなる。
俺の体のことを学校で知っているのは先生だけなので、一応の計らいなのか、保健室にいつでも来て休めるようにと鍵を渡された。
俺は、その鍵を使っていつでも保健室で寝ることが出来た。
先生が出張のときなんか、遊びには絶好のチャンスで、保健室に遊びに来る女を相手してやったり、してた。
中から鍵をかければ、出張の張り紙があるのに入ろうとするやつなんてそうそういない。
二年になって、
入学式の日。学校に行ったはいいが気分が悪く即保健室に行った。
入学式なので、先生はいない。
訪ねてくる人も、いない。
もし、居るとして、それが女なら。
それは十中八九、ビッチなんだろうと、頭悪いこと考えながら寝ていた。
しばらくして、人の気配を感じた。
すぐ側にいて、
小さな声で、俺を呼んだ気がした。
そっと目を開けてみると、
そこには髪の長い、細い女が立っていた。
見覚えがなかった。
だから、たぶんそいつも、今までの女と同じなんだろうと思ってベッドに押し倒してみた。
そのときその女の制服の隙間から見えたロザリオのネックレスが、全てを思い起こさせた。
過去の記憶は、母さんと一緒に全て消し去っていたと思っていた。
だけど、思い出してしまった。
そのロザリオのネックレスは、母さんが、俺にくれたもので、それを、俺は、昔誰かに渡した。
その面影は見れば見るほどみつかる。
まだ、母さんの体調もよかった頃、彼女に出会った。