藍くん私に触れないで‼


「好きなやつなら、居ないこともないけど?」

「は?」


おっ、

思わず声出るとこだったぁあああ…
好きなやつ居ないことも…ない?

そっか、しつこいから、そういうのがいいのか。
確かにこの場合だとその答え方が妥当かもだ。


「うっそばっかり。居ないでしょ?そうやって今までずーーーっと、1年のときから聞いてるけど。

それっぽい子なんて全然居ないじゃん。だいたいあんたが気に入りそうな子ならもうみんなあんたにフラれたし、」


…1年のときから…同じ言い訳をしていたのか。


「居るって。ちゃんと。みんな気づいてないだけだろ」

「じゃあ、誰なのよ。言ったら諦めるわよ。そんな適当な言い訳であたしまではぐらかされたらたまんないよ。」


ど、どうするの?


どうやってこの場を乗り切るの!!?



「うーん」

「ほら、出てこない。だから、とりあえずあたしと付き合っとけばいいじゃん。そしたら、またわざわざ告白される手間も省けるんだしさー」

「クラスのなかにいるよ。気になるやつ」

「だからー、名前は?」

「言うわけないだろ。言ったらお前らいじめそうだもん。」


あ、はぐらかした。





「はあ?なにそれ、絶対嘘だし。だいたいうちのクラスの女子だってあんたのこと好きな子ならほとんどフラれたし」

「別に、俺が好きになる子が俺を好きだって限らないし。

それに、試しに付き合うとか面倒なことしない。
俺は好きな子としか付き合わない」



…なにそれ。

なんだそれ、

ガチトーンで、何を真面目なことを言っているのよ。
まるで、本当に、


クラスに好きな子が居るみたいじゃない…




「…バカなの!?てか、散々遊んどいて、好きな子としか付き合わないとか、今更真面目くさっても全然決まんないし、」


「まあ、単純にお前とは付き合いたくないってこと。付き合いたくないもん仕方ないじゃん。

以上」


「あっ、え、ちょっとぉ…」



今回は、キスで解決しなかったな…
なにか、少し安心してるような、なのに、ちょっともやもやしてるような…

けど、さっきの好きな子居るって本当かな。

ほんとのほんとに居たりしたら…

結構真剣だったしな。
それに、1年のときから同じ事を言ってるみたいだし。


もしかしたら…ほんとに…



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