藍くん私に触れないで‼
○天然清純少女の期待
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【another side】
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私は、恋をしたのです。
それは、私がとても叶うようなものではない相手。
この学校で、一番人気の先輩。
白木藍という、それはそれはかっこいい先輩。
この学校に入学して、良い友達もできて、とても充実した毎日を送っています。
それは、登校初日のこと。
私は先輩に出会いました。
その日寝癖が直らず朝必死で直していた。肩より少し短い髪はいつも内巻きだ。
髪は生まれつき茶が濃い。
誰が見ても、普通、平々凡々な女子です。
そうこうしてるとあっという間に入学式に遅刻しそうな時間。
「菫~大丈夫~?」
「だ、大丈夫!!行ってくるね!」
これから始まる高校生活に高鳴る胸の鼓動を感じて、私は学校へと向かった。
なんとかぎりぎり遅刻はせずにすんだ。
自分の席についてから辺りを見回す。
同じ中学の子も居ないわけではないけれど、男子だし、女子で同じ中学の子は運悪く居ない。
早く、友達作んなきゃな…
「あ、ねえねえ、一時間目って移動??」
「えっ、あっ、ま、まだオリエンテーション期間だから、たぶん、全員体育館だと、思うよ」
は、話しかけられた。
まともに顔見られなかったけど、すごくきれい目で大人っぽくて、髪長い人だ…
いいなぁ、可愛い。
「そうなんだ、ありがと。私小鬼百合、クラスに同じ中学の人居ないからさ~、よかったら仲良くしてね」
「わ、私もなの!!よろしくね!あ、豊野菫って言います」
「あ、そうなんだ!よかった~、しかも可愛い子と仲良くなれそうでラッキー」
「へ?可愛い子?」
「菫のことじゃん!もしや天然?おもしろ~」
「ち、違うよぉ…」
なんだかからかわれてるけれど、いい人そうだ…
よかった、さっそく話せる人が出来て。
色々心配してたけれど、私の高校生活、楽しくなりそうです。