藍くん私に触れないで‼
○不器用なだけです
先輩から、初めてメールが届いた。
私からは何度かしたし、それについては返してもらえていたけれど、
こちらから何もせずにメールが来るのは初めてのことだった。
だから、尚更嬉しくて、テンションが上がった。
けど、つい数時間前に先輩と一緒に下校したというのに、何の用だろう。
今は、7時になりそうな時間か。
メールを見てみると、すぐに会いたいという内容で、顔が熱くなった。
どうしたんだろう。
先輩から会いたいだなんて、今夜は嵐?
あ、雪か…
まだ夏にもなっていないのに雪なんか降るわけないけれど…
呼び出された場所は公園だった。今すぐって書いてるから、今すぐ、なのかな。
とにかく、私は急いで私服に着替えて家を出た。
こんな時間に藍先輩に会えるなんて、嬉しいけど、緊張もする。デートすら、まともにしていないし、好きだとも言われない。
その藍先輩が私を呼び出してくれた。
純粋に、嬉しかった。
公園を目指して進む足は、だんだん早くなっていく。なんだったら、スキップでもし始めそうな勢いだ。
公園が目の先に見えてくると、藍先輩の姿も見えてきて、胸が高鳴った。
藍先輩、制服のままだ。
私服も見てみたかったな。