藍くん私に触れないで‼



空は曇っていた。


私の気分も曇っている。

藍先輩は、どんな気持ちなんだろう。


藍先輩は、きっと、すごく怖がりなんだろう。

誰だってそうだ。

死ぬことは、怖い。


でも、それは、本人にしかわからない恐怖だ。

死を目前にしていない人間に、
死を目前にしている人間の気持ちは、わかるはずがない。



そっか。


藍先輩、死んじゃうのか。


あのとき、先輩が付き合ってもいいといってくれた日。

先輩は寝不足だと言っていたけれど、きっと、違ったんだな。


先輩は、弱っているんだと思う。


精神的にも、肉体的にも。


先輩は、私が思ってたよりもずっと、脆くて、さみしがり屋で、普通の、人でしたよ。



だけど、1つだけ、


私に、教えてくれた。


事前に自分は性格が悪いとも、ちゃんと伝えてくれた。

付き合うことに、付き合ってくれたのは、藍先輩だった。
私のわがままに少しでも、付き合ってくれた。




だから、やっぱり、先輩は

優しい人です。


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