愛に結ばれた蝶







あたしはナイフを

そっと座りこむ結の首元に当てた

一気に掻き切ってしまえば

結はアッサリ絶命する




いつも見るような

血の噴水を浴びる




結の血が

何もない1本道に

海のように溢れるんだわ





「……結」





あたしの頬に

何か温かいものが流れた


きっとソレは

結と同じ涙






「…無理ですよ蝶子さん
アナタに僕は殺せない

そんな綺麗な涙を流すアナタが
僕を殺せるわけない

いや…僕だけじゃない
今のアナタでは

誰も殺せナイ」





結の言葉に

あたしはナイフを落とした




そして結の前に

同じよう座りこんだ









< 100 / 179 >

この作品をシェア

pagetop