愛に結ばれた蝶
あたしはナイフを
そっと座りこむ結の首元に当てた
一気に掻き切ってしまえば
結はアッサリ絶命する
いつも見るような
血の噴水を浴びる
結の血が
何もない1本道に
海のように溢れるんだわ
「……結」
あたしの頬に
何か温かいものが流れた
きっとソレは
結と同じ涙
「…無理ですよ蝶子さん
アナタに僕は殺せない
そんな綺麗な涙を流すアナタが
僕を殺せるわけない
いや…僕だけじゃない
今のアナタでは
誰も殺せナイ」
結の言葉に
あたしはナイフを落とした
そして結の前に
同じよう座りこんだ