愛に結ばれた蝶








「ごめんなさいっ…
アナタを殺したくないと思ってしまうなんて

あたしは殺人鬼失格だわ」


「殺人鬼に失格も合格もありません

ですが失格だと思うのなら
蝶子さん

アナタは殺人鬼を辞めるべきです
殺人から足を洗うべきです」


「無理よっ…
あたしは多くの殺人に手を染めすぎた

今更殺人から足を洗うなんて無理よ
辞めることなんて出来ないわ

辞める時
ソレはあたしが死んだ時だわ」


「蝶子さんッ!」





突然結が叫んだ

そしてあたしを強く抱きしめた




久しぶり

こんな風に誰かに抱かれるなんて

ユウ以来だわ




だから思ってしまう

かつてユウから受けた温もりと

今結から受ける温もりが

別物だと――――





結の方があったかい

心の奥底まで染み渡るよう



ユウはあたしを

本気で愛していなかったから?



だからこんなにも

温もりが愛しいと思えるの―――?









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