愛に結ばれた蝶
「無事で良かった」と笑う結は
満面の笑みを浮かべていた
「ではごゆっくり」
看護師さんは記入を終えたのか
病室を出て行った
結がベッドへ近寄る
あたしの手を握りっぱなしなので
あたしも一緒に近寄る
結の手は手汗で濡れていた
アンリさんのことが心配だったのだと
感じた
ひょっこりとベッドを覗くと
まだ幼い女の子が眠っていた
ピンクのパジャマに身を包んだ
結に似た艶やかな黒髪を持った子だ
…なかなか可愛い子であった
結は手を伸ばして
女の子の髪の毛を
ゆっくりと撫でた