愛に結ばれた蝶








安心したように笑い

困ったように笑っていた結が

恥ずかしそうに笑った





「……は?」




僕ハ好キダケド…蝶子サンノコト?

どこかの外国語に聞こえてしまった

意味を理解するのに軽く10秒は掛かったと思う




「ゆ…っ!?」


「……はっ!

ご…ごめんなさい蝶子さん!
今のは忘れてくださいっ!」


「忘れられないよっ!」




どうやら結は無意識に言ったらしい

あたしたちはお互い真っ赤になりながら

漫才みたいなのをしていた




「お兄ちゃんと彼女さん」




くぐもっていない杏璃ちゃんの声

結と同時に振り向くと

杏璃ちゃんが呼吸器を取って

ベッドの上に座っていた








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