愛に結ばれた蝶
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「ユイお兄ちゃんを
よろしくお願いします
こんな見た目していますけど
本当は誰よりも優しいんです
ユウお兄ちゃんがいなくなった時も
ユイお兄ちゃんだけは
私とお母さんを助けてくれたんです
ユイお兄ちゃんが優しいのは
妹である私が保証します」
妹・杏璃の言葉に
僕は固まるしかなかった
「……どういう事…結」
蝶子さんが睨みつけてくる
殺気のこもった恐ろしい睨みだ
「いやっ…あのっ…それは…
杏璃何を言っているんだよ?
僕はユイじゃなくてユウだろ?
お兄ちゃんのこと間違えちゃ駄目だろ?」
「何を言っているのお兄ちゃん
私がお兄ちゃんたちを間違うわけないじゃない
そもそもユウお兄ちゃんは
ユイお兄ちゃんみたいな目していないもん
眼帯して赤い目をしているのは
ユウお兄ちゃんじゃなくてユイお兄ちゃんでしょう?」
たっ…確かに間違うことはあり得ないけど
僕が“兄さん”と…