愛に結ばれた蝶








「…ずっと俺
お前に迷惑かけてきたから

俺がいなくなっても
お前はずっと1人で
杏璃と母さんを支えていたんだろ

これぐらい
させてくれよ…」




泣いている結に対し

ユウは笑っていた




「…それに…
悪いと思っているから…

お前のその…右目のこと」




ふっと顔を伏せたユウ

…結の右目に関して

ユウが悪いと思っている…?




「ただでさえ
その目のせいで色々と
苦労してきたのに

俺のせいで
ますます苦労させちまった

本当はこのまま立ち去ろうとした
だけどチョコに教えてもらったんだ

消えない罪や
癒えない傷や
明けない夜や
止まない雨は

どこにもないってな」




ドヤ顔で言うユウだけど

あたしは内心少しだけ焦っていた








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