愛に結ばれた蝶
16







「あたし結を信じているから
大好きだよ…結」




月の灯が海に反射し

その光に

蝶子さんの笑顔が照らされる





「でね…お願いがあるの…結」




さっきまで笑顔だった蝶子さんの顔が

不安げな表情へと変化する

それだけでわかった




「結の過去…聞かせて…?」


「……良いですよ
長くなると思いますけど
良いですか?」


「うん」




僕らは普通の道から砂浜に続く階段に

腰かけた




「そういえば蝶子さん
これ病院の売店で買って来たおにぎりです

夕食でも食べながら話しますか」


「うんっ」




蝶子さんは鮭のおにぎり

僕は明太子のおにぎりを食べながら

僕は話しだした―――









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