愛に結ばれた蝶
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「あたし結を信じているから
大好きだよ…結」
月の灯が海に反射し
その光に
蝶子さんの笑顔が照らされる
「でね…お願いがあるの…結」
さっきまで笑顔だった蝶子さんの顔が
不安げな表情へと変化する
それだけでわかった
「結の過去…聞かせて…?」
「……良いですよ
長くなると思いますけど
良いですか?」
「うん」
僕らは普通の道から砂浜に続く階段に
腰かけた
「そういえば蝶子さん
これ病院の売店で買って来たおにぎりです
夕食でも食べながら話しますか」
「うんっ」
蝶子さんは鮭のおにぎり
僕は明太子のおにぎりを食べながら
僕は話しだした―――