愛に結ばれた蝶
小学2年生の夏休み
杏璃と一緒に公園で遊んでいると
突然杏璃が苦しみだした
丁度その時医者が近くにいて
杏璃を病院へ連れて行き
診てくれた
そこで初めて
杏璃が心臓に病気を持っていることがわかった
すぐに入院するよう
医者には言われた
だけどそんなお金
家にない
僕は一旦病院に杏璃を預け
家に帰った
兄さんは遊びに行っていて
相変わらず布団にくるまる母さんに
杏璃のことを話した
だけど母さんは何も言わなかった
「大丈夫なの?」も
「お金なんてないわよ」も
何も言わないのは母親として可笑しいと思ったので
僕は何度も母さんに呼びかけた
「……アンタに任せるわ」
何度も呼びかけ
母さんが言ったのはそれだけだった