愛に結ばれた蝶
もう自分自身で
切り刻まなくて良いんだ
僕の血でまみれた
カッターの刃も
これ以上血まみれにならなくて済む
天井に貼りついた蛍光灯に照らされていた
左手首を下ろすと
僕は右目についた眼帯を外した
忌まわしいこの右目からも
血のように真っ赤な左目からも
何度も切った手首からも
この世界からも
明日になれば終わる
全てが終わる
「…そうだ
最後の晩餐は何にしようかな?」
財布の中にお金はある
僕は煙草を取り出してから
財布の中身を確認し始める
「最後の晩餐に相応しいのは
一体何だろうか?
何食べたいかな?
好きなモノ行くべき?
それとも食べたことなかった
高級品に行くべき?
あー迷うなァ」
「クククッ」と
僕の笑いが部屋に響いた