愛に結ばれた蝶
9
「……ハッ」
結が乾いた笑いを漏らした
黙々とハンバーグを食べていたあたしは
「うん?」と顔を上げた
「結
どうしたの?」
「…何でもないですよ
少し思い出し笑いをしただけです」
「死にたくなくなった?」
無意識に出て来てしまった言葉に
あたしは息を飲んだ
「……蝶子さん?
どうしたんですか?
殺したくないみたいなこと
言わないでくださいよ…」
「…言ったでしょ?
あたしは依頼されて殺人をするのは
初めてなのよ
本当はしたくないけど
アンタがしつこかったから
渋々承知しただけ
アンタが死にたくないって言えば
それが良いのよ」
どーせ結は
あたしのお人形になれないのだから
殺ス価値ナンテ
アンタに存在シナイワ―――