愛に結ばれた蝶
会話が聞こえたのはそこまで
20代に見えて実は10代だった信号機トリオは
地下への階段を下りて行った
確かあの階段を下りた先にはバーがある
…あそこへ行ったのかもしれないな
しかし…
繁華街に出没する悪魔…か
そこまで考えて苦笑する
…僕のことじゃないか
悪魔なんて異名がついたのか…僕は
そっと右目につく眼帯に触れる
誰しもこの眼帯を見て恐れている
だからだな…
僕が人目のつかない
ビルとビルの間の汚い所に立っているのは
だから信号機トリオの会話が聞こえても
信号機トリオは僕のことが見えなかったんだ
死角に当たる位置だから
…繁華街でのみ
事件を起こす殺人鬼…か
僕は口に咥えていた煙草を取った
…見つけてみる…か……
連続殺人鬼とやらを…