愛に結ばれた蝶
「た…
高い所苦手ですから…僕」
「飛び込みは?
電車とか…」
「大勢の人に迷惑をかける死に方は
選びたくありません」
「入水は…」
「水に埋もれて行くだけじゃないですか
それなら血は1滴もいりません」
「じゃあもっと深く
切れば良かったのよ」
「力がないみたいで
上手く切れなかったんです」
…あと何か自殺方法あったかしら?
あたしは殺人専門だから
自殺は興味ないのよね…
わからないわ
「僕からも質問良いですか?」
「え?」
いつの間にか結は顔を上げ
あたしをまじまじと見ていた
だけど真っ白な眼帯も
艶やかな黒髪に隠された左目も
隠されて見えなかった