愛に結ばれた蝶
「何故蝶子さんは
殺人を続けるんですか?」
「……」
今度はあたしが黙る番になってしまった
「蝶子さんの目的は何ですか?
何故殺人を続ける必要があるんですか?」
「…………」
「蝶子さんっ……」
「……冥途の土産に教えてあげるわ」
真っ直ぐに見つめられ
あたしはそう口走っていた
「あたしはお人形を探しているのよ」
「お人形…?」
「ええ
決して自分を裏切らないお人形をね」
「どういう…意味ですか…?」
「繁華街に歩く人たちは皆
ロボットなのよ
ロボットは手なずければ
お人形になる
あたしはそう信じているのよ
だから今まで
多くの人間に声をかけてきた
だけど誰も
あたしを信じてなんてくれない
裏切らないって保証をくれない
だから壊すの
イラナイでしょ?
あたしを裏切るロボットなんてイラナイ」