愛に結ばれた蝶
ジュンちゃんのことは
あたしも好き
だけどそれは友達に対して抱く好きと同じ
彼氏と同じような好きは感じていなかった
『ごめん…ジュンちゃん
気持ちは嬉しいんだけど…
あたしには彼が居るから…』
『……な』
『え?』
気が付いた時には遅かった
あたしはジュンちゃんに勢い良く腕を引っ張られ
畳の上に押し倒された
毎朝母さんに教えてもらいながら着ている着物が
ジュンちゃんによって乱される
『ジュンちゃん!
やめてっ離してっ!』
『離すもんか!
覚えてねぇのかチョコ
オレの方がアイツよりも先に
お前に恋していたって言うのに』
『どっ…いうこと…?』
『以前話したよな?
オレが料理人を目指すきっかけになった出来事
オレは家族でココに泊まりに来た
その時支配人が娘だってチョコを紹介してくれたんだ
オレはその時からチョコのことが好きだったんだ
チョコに似合う男になろうって誓って
オレは勉強を頑張ってきたんだ
お前を迎えに行くために』