愛に結ばれた蝶
彼は黙ったままだった
だけどゆっくり息を吐きだした
『そう
よくわかったなジュン』
そう言った彼は笑っていた
あたしはゆっくり彼から離れた
『俺の目的に気がついていたんだな
どうやらジュンにも嘘をついていれば良かったな
チョコを落とすのは簡単だったよ
ちょっと良い顔すればすぐに俺のことが好きになった
もう少しで俺の計画が達成できたはずなのによ』
あたしの目からは涙が流れていた
信じていた彼に…裏切ラレ…タ
『…ごめんなチョコ
ずっと騙してて
だけど1つだけ安心しろ
俺はまだ金を奪っていない
バレたことだし
俺はここを出て行くよ
チョコ
おじさんとおばさんに
ありがとうございましたって言っておいて
俺と別れたことにしておいてくれ
……じゃあな』
彼はやっぱり笑ったまま
フイと部屋を出て行った