愛に結ばれた蝶
ユウが死んでくれたら良いのにって
あたしは思っていた
あたしを裏切り
殺しの道へと進めたユウなんて
死んでしまえば良いと
ユウへの八つ当たりだとわかっていた
ユウへ何を言っても無駄だと
だってユウは誰もどこへ行ったのか知らないのだから
もしあの頃のあたしなら
きっとすぐさま
結のことを殺していた
躊躇いもなく一気にグサッと
でも殺さなかった
「あたしが言っていた場所に行こう」と
誘っただけ
結は何も言わずただ頷いた
…殺さなかったんじゃない
きっとあたしは
…殺せなかった
結のことを
誰よりも大事に思う
特別な存在だと信じている
結なら絶対に裏切らないと
根拠のない自信を信じている
あたしがいるから―――――