愛に結ばれた蝶
「もしもし…?」
『藤井さんですか?』
「そうですけど…」
『わたくし
成宮(なるみや)総合病院の者ですが』
淡々とした相手の口調に
心臓が嫌な音を立てるのが聞こえた
相手―――看護師さんは色々言った
だけど僕の耳には届いていなかった
気が付けば携帯電話を落とし
蝶子さんが目を見開いて後ろを振り返っていた
「どうしたのよっ?」
「…蝶子さん…お願いです…
今ココで僕を殺してくださいっ!」
「はぁっ!?」
「お願いしますっ!
早く…早く僕を殺してくださいっ!
蝶子さんっ早く!」
無我夢中で蝶子さんの肩を掴み
グラグラ前後に揺らした