大切な君に向けたたった1つの宝物
ヒヨコとわんこ
恵美 雛乃(エミ ヒナノ)。今日から私立高校に通う子。
名字も名前みたいで珍しいとよく言われる子。
身長が少し小さいからヒヨコみたいだとからかわれる子。
でもすごくスキな人がいるの。
少し長い片思い。
だけどそれでもいいの。
見てるだけで.....
ドバシッ!?
「痛ッ......!!」
アタシの頭を誰かが引っぱたいた。
言うまでもない、幼なじみの佐波 剛(サナミ ゴウ)。
「....剛。何で叩くのさ!!痛いじゃん!!」
アタシは頭をさすりながら剛を見て言った。
「だって雛乃がボーっとヒヨコみたいにしてるから(笑)」
「.....最悪。せっかくボーっとしてたのに」
アタシはそう言いながらその場から去った。
「ちょっ待てよ!!今日の練習は来るんだろうな雛乃!!」
剛がアタシの背中に向かって言った。
アタシはクルっと後ろを向いて
「嫌でも行くっつーの(。-`ω´-)」
舌を出してそう言うと、アタシはまた歩き出した。