冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

   「ふん、見くびられたものだ。皇帝妃に妾腹の娘を
    差し出してくるとはな。」

   「.........っ!」

   「和平の条件をのんだのは、仕方なくだということを
    わからせるためだろうが、あのプライドの高いオニギスの王族が
    こうやってクルセルトに来ただけでも、良しとするべきか。」



 冷たい目で見据えられ、唾棄すべきもののように言われて
 リューリは竦みあがった。


  (いったいこれは、どういうこと、、、)


 ぐいっと髪の毛をひっぱられ、よろけたところをドン押され、
 リューリはソファに倒れこんだ。


 その上にアシュレが覆いかぶさる。



   「おやめ下さい、皇帝陛下! まだ婚姻前でございます。」



 必死でリューリが押しとどめようとするが、アシュレは聞く耳をもたない。



 首筋に顔をうめられ、口付けられる。

 アシュレの骨張った大きな手が、胸の上に置かれ、
 乳房をぎゅうと握りつぶされた。



   「このような事をして、和平条約を無しにするおつもりですか!」



 リューリの顔の両脇に手をついたアシュレは
 リューリを見下ろしながら、口元をゆがめた。



   
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