冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

 アシュレもまた、いら立ちを抱えて剣をふるっていた。

 執務室の机の前に座っていても、仕事にならない。

 だから、剣をもって外にでた。



 昨晩はすぐ宰相のウイズルを呼んで、ばかげた計画をやめるように
 言ったが、聞き入られなかった。



   「もう、側妃候補はきまりました。皆、自分が選ばれたことに
    誇りをもっております。
    その者達の顔をつぶすことは、それぞれの家の顔を、、、
    また、後見人としてついておられる王族の方々の顔を
    つぶすことになります。」



 そういわれては、言い返せない。

 リューリに、どう説明すればいいのだ。

 とにかく今晩は、リューリとちゃんと顔をあわせねばならない。
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