冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~
夜になり、早めに寝室にむかったリューリはそこにアシュレの
姿をみとめて、訝しんだ。
(なぜここにいるのだろう? シルビア様のもとへ行くべきなのでは
ないだろうか)
リューリはアシュレのいる寝台には近づかず、距離をとった。
その姿に、アシュレの眉間にしわがよる。
「リューリ、話しがある。」
「なんでございましょうか。」
リューリの声は固く、重苦しい。
今朝の様子といい、今の態度といい、アシュレは見えない壁を
リューリに感じた。
(ひょっとしてリューリは、側妃のことを知っているのか)
「一部の貴族と王族達から、、、、。」
そこまで言って、アシュレは言葉をとめた。
どういう言い方をすれば、リューリを傷つけずにすむだろう?