冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

   「リューリは、私が側妃をもつことをみとめるのか?」

   「はい、皇帝陛下にはお世継ぎをもうけなければならない
    責任がございます。」



 アシュレは苦いものが胸の内にひろがるのを感じた。

 自分が側妃をもっても、リューリはなんとも思わないのだ。

 今日一日、自分はどれだけ悩んだだろう。

 すべては、無意味なことだった。

 しかし、、、。



   「リューリ、こちらに来い。」



 アシュレは、望みをこめてリューリをよんだ。

 だが、リューリは動かない。



   「リューリ!」



 アシュレのするどい声にリューリの体がぴくりと動き
 後ずさった。


  (俺を拒むことは、ゆるさない!)
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