冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

 アシュレは寝台をとびおりると、逃げようとするリューリを追い
 かべに手をつき、リューリをかこってしまった。

 そしてそのまま、リューリの首筋に顔をうめる。

 アシュレのくちびるが首筋にふれ、かっと体が熱をもったように
 熱くなった。



   「や、おやめ下さい、陛下。」



 アシュレの手が性急にうごき、夜着のすそをめくりあげようとした。


  (いや、こわい、、、)


 リューリは恐怖をおぼえた。

 あのならず者達と同じように、アシュレは無理矢理リューリを
 抱こうとしている。

 顎をつかまれ、唇を奪われる。

 リューリは無我夢中でそれを噛んだ。



   「、、、っ!」



 どんと突き放すようにアシュレがはなれる。


 唇の血を親指でぬぐったアシュレは、リューリを見て言った。



   「それほど、いやか、、、。」

   「..................。」


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