冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~
空いた時間を、よりいっそうお妃教育に励むことで、リューリは
時間も心もうめていた。
アシュレに願い出、城をでて救護院や育児院を訪問することで
民とふれる機会を多くもつようにした。
アシュレとは夫婦にはならない。
でも、自分が皇帝妃であることは変わらない。
だったら、民のために、、、。
(貴族の思惑は自分とは関係ない)
その日もリューリは、二人ほど供の者をつれただけで、王都セルト
の東地区にある救護院を訪れていた。
ケガや病気で生活をしていけれない者、年老いて身寄りのない者
社会の底辺で暮らす人々が救護院をたよってやってくる。
生活をまともに出来ない者達は、ぼろを身にまとい
暗い目をしていることが多かった。
自分はたまたま王族に生まれた。
飢えた事はない。
でも、世間の片隅に追いやられ、家族の愛はなく
捨て置かれるものの想いはわかる。
お腹が満たされれば、心が満たされるわけではないから。