冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

   「明日の夜でしたらお届けできます。
    ここでお待ち願えませんか?」

   「誰かに預けてくれたらよいのですよ。」

   「私は妃殿下の喜ぶ顔がみたいのです。」



 おどけた顔とともに告げられた返事にリューリは笑いながら答えた。



   「しょうがありませんね。」



 その返事を聞いて、ダニエルはぱっと笑顔になる。



   「ただし、夜、妃殿下をおたずねするということで。変な噂が
    たっても困ります。
    このことは、ご内密に、そして人払いをお願いしたい。」



 これにも、リューリは笑いでこたえた。



   「わかりました。」

   「では、明日。」
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