冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

 突然、バタンと執務室の扉がひらいて、ソファに所在なげに座っていた
 エルダは、ぴょんととびあがった。



   「エルダ、なぜお前がここにいる、リューリはどこにいった?」



 大股で入ってきたアシュレは、エルダの姿をみとめるとそう言った。

 エルダとイーノックの顔色がかわる。



   「あの、アシュレ様、、、。」

   「アシュレ、落ち着いてよく聞くんだ、、、。」


 顔色を悪くした二人から同時にそう言われて、アシュレは首を
 かしげた。




   「なんだ?いったいどうしたんだ。」



 そう問いつめられて、エルダとイーノックは観念したように
 リューリがいないことを話しはじめる。

 途中までおとなしく話しを聞いていたアシュレは
 リューリがダニエルと行方をくらました、と聞いたとたん
 顔色を失い立ち上がった。



   
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