冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

   「ここは、王都の東地区ですよ。
    そしてあなたは、囚われの身だ。」

   「囚われ、、、。」

   「あなたが犬を放って、私達の間をうるさく嗅ぎまわる
    からですよ。
    オニギスのマッカーソンのところでも然り、ジェイド.マン
    のところでも然り、、、。。
    もっともあなた自身も犬で、それを放っていたのは
    皇帝でしょうがね。」

   「私達って、、、まさか!」

   「そのまさかですよ。」



 そう言って、ダニエルはくくくっと笑った。



   「だが、あなたが嗅ぎ回れるのも今日までだ。
    明日にはあなたの死体が運河にうかぶ。」

   「.......っ!」



 驚愕でリューリは言葉もでない。



 ダニエルは懐から、茶色の小瓶をとりだすと言った。



   「簡単ですよ。これを飲めばいいだけ、、、。」



 そしてさらに寝台に近づいてくる。

 リューリは下がれるだけ後ずさったが、すぐ背中が壁にあたった。
< 133 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop