冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

   「ちょっとやさしくしたらすぐに懐いてくれて、妃殿下、
    あなたはかわいい人でしたよ。」



 小瓶を懐にしまうと、ダニエルは体を折り曲げ、顔を近づけてきた。

 リューリの耳元に口をよせ、まるで愛を囁くかのようにやさしい口調で
 言葉を続ける。



   「すぐに殺してしまうのは惜しい。せめて今晩一晩だけでも
    私のものに、、、。」



 そう言ってダニエルは、リューリの耳に口づける。

 そのまま唇は下がっていき、首筋をつよく吸われた。



   「や、やめて、、、。」



 リューリがか細い声でそう言っても、ダニエルの愛撫はとまらない。

 首筋を愛撫しながら、ダニエルは寝台のそばの小机から短剣をとりだした。

 そしてそれをリューリの襟元に差し入れ、一気に引き裂く。



   「...........っ!」



 リューリの華奢な肩と白い胸があらわになった。



   「美しい、、、。」



 むき出しになった肩にもダニエルの唇が這い、大きな手が胸を
 摑む。



   「い、いや!」



 リューリは身をよじり、力一杯ダニエルを突き飛ばした。
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