冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~
(13)
リューリの日常は一変した。
朝はアシュレの声で目覚める。
共に朝食をとり、アシュレは執務室へ、リューリはお妃教育へと
むかう。
昼食もともにとり、そのあと時々一緒に庭を散歩する。
またそれぞれに執務と勉強をこなし、午後三時のお茶会には時々
アシュレも席をともにする。
夕食も一緒で、その後アシュレが執務室に向かうのは同じだったが、
リューリが眠ってしまってから寝室にやってくるのではなく、
もっと早い時間にやってきて、リューリを抱き枕のように
抱いて眠る。
救護院や育児院への慰問もアシュレはリューリとともにでかけ
(回数は少なくなったが)時々、遠乗りのかわりに、馬車にひかせた
そり滑りにアシュレはリューリをつれていった。
リューリは戸惑っていた。
アシュレがリューリを見る目はやわらかく、目が合えば微笑みかけられる。
その笑みはリューリの胸の鼓動を早くした。
他にも手をつないできたり、頭に手をおいたり、アシュレはリューリに
触れてくる。
特に夜はリューリを腕の中にとじこめて離さない。
「私が眠れません。」
とリューリは抗議したが、アシュレは聞かなかった。
「襲われたことを考えて堪えてるんだ。それぐらいは許せ。」
アシュレはいったい何に堪えているのか、、、、。