冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

 アシュレが別人になったかのように、リューリは感じている。

 自分が政略結婚をした相手は、自分の父親を殺した零虐非道な王で
 妃を政治上の駒と考えているような人だったはずだ。




 アシュレの変貌ぶりに驚喜したひとがいる。

 エルダだ。

 まじかでアシュレがリューリにみせるやさしさを目にする度、内心
 悶えている。

 そして曖昧な態度しかとらないリューリにやきもきしている。



   「リューリ様、先程アシュレ様がリューリ様の肩をだかれましたね。
    そういうときは、そっと殿方の肩に頭を預けるものでございます。

   「リューリ様、アシュレ様の口にソースがついているからといって、
    ”陛下、ソースが、、”などと言葉で言ってはいけません。
    そっと近づき、ナプキンでぬぐって差し上げなくては、、、!」

   「リューリ様!」



 何か言われる度に、言い訳をしていたリューリだが、最近は
 こう言うことにしている。



   「わかったわ、エルダ。次は気をつけます。」
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