冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

 曇り空だった空から、雪が落ちてくるようになり、
 少し寒さが増したようだ。



   「こりゃ、夕方からは吹雪くな。」

   「早めに片付けたほうがいいな。」



 そんなことを言い合いながら、屋台が片付けられていく。



   「最後にもう一滑りだけしてこよう。」



 アシュレに誘われて、リューリは立ち上がった。






 スケート場には、まだ結構人がいた。

 だが、降る雪は視界を悪くする。

 リューリとアシュレは二人で滑っていて、横から滑ってきた
 若い娘とぶつかってしまった。



   「きゃっ。」
   
   「だいじょうぶですか?」



 リューリとアシュレは何ともなかったが、ころんだ娘は
 足をひねってしまったようだ。



   「この娘さんを、救護のテントまで連れて行ってくる。
    リューリはスケートの貸靴屋のところで待っていてくれ。」



 アシュレにそう言われて、二人はわかれた。
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