冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~
(14)
パチパチと薪がはぜる音がして、リューリは目をさました。
(ここは、、、どこ、、、?)
目の前には火がたかれ、暖かそうな色が踊っている。
室内は薄暗く、暖炉の火だけが唯一の明かりのようだ。
「気がついたか。」
そう声をかけられ、リューリは振り向いた。
そこには、裸の上半身に毛布を肩からかけたアシュレが座っていて、
リューリをじっと見つめていた。
「陛下、、、ここは?」
「猟師のつかう山小屋らしい。崖下におちたリューリを探して
会場に戻ろうとしたが、雪で道を見誤った。
暗くなり始めるとともに吹雪いてきて、仕方なくこの小屋に
逃げ込んだ。」
「すみません、、、私、、。」
「いやいい。」
アシュレはリューリの言葉を遮ると、ズレていた毛布をリューリの肩に
掛けなおした。