冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~
「調印式なぞ、、、途中で抜け出してきた。」
「は?」
「調印はした、だから問題はない。」
きっぱりと言いきったアシュレは、リューリが何か言うより早く
リューリの唇を口付けで塞いだ。
甘く深い口付けは、リューリの体を火照らせ、リューリはそれ以上
アシュレを問いただすことが出来なくなってしまった。
そんなリューリをみて、にやりと笑うと、アシュレは身をかがめて
妻の瞳を覗き込む。
「それよりも、使者のいったことは本当か?」
「はい、、、。」
熱のこもったアシュレの眼差しに、俯きながらリューリはそっと
手をお腹の上におく。
そんなリューリの様子にアシュレは満面に笑みをひろげ
「でかした!」
と叫ぶと、リューリを抱き上げくるくるとまわした。
エルダが目を見開きながら叫ぶ。
「陛下、危のうございます。お腹の子にさわります。」